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2017年11月29日 (水)

ゾウに関する議題

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常設委員会2日目(11月28日)

●午前中にゾウに関する議題を審議しました

事務局が作成したゾウの密猟と象牙密輸の状況報告に基づき、国内象牙市場閉鎖を含む決議10.10の実施の奨励や、違法取引対策の報告、実施中のアフリカゾウ基金のさらなる実施などのほかに、NGO「Stop Ivory」が無料で提供している在庫象牙管理システムを事務局として普及すべきか、という提案が事務局からありました(Doc51.1 )。
これに対し、在庫象牙管理システムの件は意見が割れました。すでに11か国がシステムを導入しており、ケニア、ジンバブエ、チャド、ボツワナ、タイなどは賛成したものの、中国、ナミビア、南ア、ベトナムなどは反対の意見を述べていました。
Stop Ivory の無料リソース
次にブルキナファソ、コンゴ、ケニア、ニジェールから提出された国内象牙市場閉鎖を含む決議10.10の実施についての議題です(Doc.51.2)。
国内象牙市場閉鎖の進捗状況を事務局に報告すること、日本を国別象牙行動計画の対象になっていないことを再考することを提案しています。
 ここでも合法市場維持の立場の南アと全ての市場を閉鎖すべきというケニアの意見が対立しました。
 取引支持の立場のNGO「Ivory Education」は米国の禁酒法の例を挙げて合法市場支持の意見を述べていました。象牙をめぐりアフリカでゾウも人もたくさん死んでいる現実からかけ離れた発想です。

次の議題は上記のアフリカ諸国が提出した在庫象牙の議題です(Doc.51.3)。在庫象牙の管理または処分に関する技術的ガイダンスがまだ発行されていないこと、CoP17で決定した在庫象牙対策(Dec.17.171)へ資金が必要なことが提案されています。
 提案国のニジェールは国境を越えた対策とキャパシティビルディングが必要と発言していました。

議題 Doc.51.4 は、「違法野生生物取引に関するロンドン会議」に起源をもつ、アフリカ諸国による Elephant Protection Initiative (EPI)に関するアップデートでした。
最後に国別象牙行動計画についての事務局からの報告(Doc.29)がありました。
日本が国別象牙行動計画の対象になるのかも含め、ワーキンググループで議論することになりました。

象牙に関する議論で日本政府は発言をせず、ワーキンググループのメンバーになりました。CoP17の時も同じで、ワーキンググループの議論の結果、象牙国内市場閉鎖の文言に、閉鎖の対象を密猟や違法取引に関与している市場と限定する文言が付け加わっています。

●ドキュメンタリー「The Last Animals」


世界に3頭しか生き残っていないキタシロサイをはじめ、世界のサイは角を目的に密猟され絶滅の危機にあります。そのサイとアフリカゾウの保護のための活動のドキュメンタリー映画が、サイドイベントで上映されました。

サイの角を精力剤として珍重するベトナムで、母親を密猟者に殺された子どものサイを主人公に、サイの角は人間の爪と同じ成分であることを普及するアニメを作ったこと。

密猟者に狙われないようにするため、麻酔銃を使ってサイの角を切り落とそうとしたところ、サイが死んでしまったこと。

密猟者に殺された国立公園のレンジャーのお葬式。

捕まった密猟者も血を流し、ヘリコプターとトラックの荷台に乗せられて病院に担ぎ込まれる。
サイやゾウをを守るために土俵際で踏ん張っている人たちと、サイの角や象牙の値段に翻弄され、人間も動物もたくさんの死がアフリカにあることをが映し出されていました。

上映の後、会場は静まり返り、入場者は言葉少なく帰っていきました。
床いっぱいに並べられた、押収された象牙の数だけゾウの死があることに気づいたら、象牙を買う気になるでしょうか。
JWCS 鈴木希理恵

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