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2016年11月 9日 (水)

会議報告⑩ 10月3日 残りの附属書提案を一気に議論

●アフリカゾウの附属書提案
 いよいよアフリカゾウの附属書提案の議論です。附属書Ⅱになっているボツワナ、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエの個体群を国際取引するための条件が、附属書の注にあります。提案14、ナミビアの提案はその注を全部削除するというもので、それが採択されると、ナミビアは自国のゾウの絶滅に影響がない範囲で象牙が輸出できるようになります。また提案15、ジンバブエは部分的に削除するという提案で、象牙取引の収益がゾウの保護や地域社会の開発に使われるなどの条件は残していました。
 これらの提案に対し、国内市場閉鎖に舵を切ったはずの中国は賛成していました。日本は提案14、15の提案の修正を提案し、それが受け入れられました。
 どちらの国の提案も秘密投票が行われ、3分の2の賛成が得られずに否決されました。
提案14ナミビアの個体群については賛成27 棄権9 反対110
提案15ジンバブエの個体群については賛成21 棄権11 反対107
 この会議が始まる前に、マリとベナンの政府代表の方とお話ししました。国内市場閉鎖の議題が合意されたので、日本もアフリカゾウ附属書Ⅰ掲載に賛成してくれるのではと期待していたのですが…。
 その、すべてのアフリカゾウを再び附属書Ⅰにする提案は賛成62 棄権12 反対72で3分の2に達せず、否決されました。日本、EU、中国は反対。28票持っているEUの反対が大きかったです。
●ミナミシロサイ
 附属書Ⅱのスワジランドのミナミシロサイの自然死したサイの角や密猟から押収した角を国際取引できるようにする提案は、秘密投票で賛成26 棄権17 反対100で否決。日本は「保全ができている」として取引支持の発言をしていました。
●サメ・エイ
 クロトガリザメ(Silky shark)を附属書Ⅱに掲載する提案に日本はサメの識別など実行が負担、掲載の要件を満たしていないと発言。そして秘密投票を提案。結果は賛成111棄権5反対30で採択。
 オナガザメ属全種を附属書Ⅱ(国際商取引に許可が必要)に掲載する提案に日本はまたしても反対。サメとエイは附属書Ⅱにしても保全の利点がないと発言。賛成108 棄権5 反対29 で採択。
イトマキエイ属の附属書Ⅱにも日本は反対。生息数が掲載の要件を満たしていない、附属書Ⅱは保全の利点がないとサメと同じ趣旨の発言。コンセンサスができず投票になり、賛成110 棄権3 反対20 で附属書Ⅱ掲載されることになりました。
 南米の淡水エイは提案国のボリビアが取り下げました。10月5日付でブラジルとコロンビアは取り下げた種を含む淡水エイの仲間を附属書Ⅲに登録しました。
 日本政府が附属書の掲載要件を満たしてないと発言した背景にはResolution Conf.9.24附属書Ⅰ及びⅡ改正の基準があります。
RECOGNIZING further that, in accordance with the same Article, the Secretariat shall consult intergovernmental bodies having a function in relation to marine species;
 FAOは、クロトガリザメとオナガザメ属全種の提案は生物学的基準を満たしていないとしています。しかし、クロトガリザメの議論の時にCITES附属書Ⅱに掲載することは地域漁業管理機関(RFMOs)の保全管理を補完するものだと発言していました。
 またイトマキエイ属は附属書Ⅱの生物学的基準を満たしているとしています。
Ngoweb
写真:会議場のNGOブース
●附属書提案、観賞魚、両生爬虫類
 メキシコ提案の観賞魚(クラリオンエンゼルフィッシュ)の附属書Ⅱ掲載に日本は掲載要件を満たしていないので、自国の種だけ国際取引禁止にする附属書Ⅲを提案。投票により賛成69棄権15反対21で採択され、附属書Ⅱへ掲載が決まりました。延長して会議が続けられ、疲労感が漂っていました。
 ケニアのクサリヘビ科のヘビ2種、アフリカのスッポン6種が附属書Ⅱに、またマダガスカルのトマトガエルの1種がダウンリストになったものの、近縁種2種を加え3種が附属書Ⅱに掲載されました。
 マダガスカルのカエルの附属書Ⅱの掲載と、チチカカミズガエルの附属書Ⅰ掲載に日本から生物学的基準を満たしているかと質問がありましたが、提案国が答えて合意。ホンコンコブイモリの附属書Ⅱも合意され、すべての附属書提案の議論が終わりました。現地時間夜8時過ぎでした。

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