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2014年11月11日 (火)

ペットや生餌の輸入について外来種問題からのガイダンス

 COP12で採択された議題の一つとして、ペットや観賞用生物、生餌、食べ物の輸入について、外来種問題対策のためのガイドラインが策定されました。
 輸入されたペットや観賞用生物や生餌を、野外に放したり、逃げたりするリスクを考慮してのガイドラインです。日本でもアライグマやミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)のようにペットとして輸入された動物が野外に広がり、その対策に苦慮している例が多々あります。
例)認定NPO法人 生態工房による外来生物防除活動
 今回採択された最終文書で3つの点に注目しました。


「ホワイトリスト」方式の推進

 一つはガイダンス20段落の「輸入が安全であることが示されない限り、生物多様性への潜在的な危険があると分類される」です。現在の日本の外来生物法はリストアップされた種が規制対象になる「ブラックリスト」方式です。一方このガイダンスでは、「安全が確認されたもの以外はリスクがある」としていて「ホワイトリスト」方式になっています。
 日本の外来生物法について複数の自然保護団体から「ブラックリスト」では、リスト外の生物が輸入されて新たな脅威になるので、「ホワイトリスト」方式にすべきだという意見が出されていました。COP12で採択されたガイダンスはこの意見を後押しすることになります。


CITESとの連携

 二つめは本文4段落のワシントン条約(CITES)との協力です。CITESが絶滅のおそれのある野生動植物種だけでなく、外来種問題に関しても調査方法やリスク対処などでCBD事務局と協力するとあります。条約間や国連機関の間での協力が進められていることを前回の記事で書きましたが、その一環で各条約の役割が広がっています。


輸入する生物の学名などを表示

 そして最後に、ガイダンスの19段落に、「すべてのペットや観賞用生物、生餌などの輸入販売品は、学名など分類情報を明確に示すべき」としています。

 、CITES対象種を合法に所持するには「登録票」が必要なのですが、そこに表示される種名は、スローロリスを規制適用前に取得した個体の申請の場合は「属」のレベルまででよいとされています。JWCSが調査したスローロリスの違法取引問題では、大まかな表記が不正取引の温床になっていました。
 今後、このガイダンスに従って輸入されるペットに学名が表示されることになれば、適正な法執行にも役立ちます。
 ちなみに最新の研究によりスローロリスは8種に分類されていますが、日本では4種の分類を採用しており、登録票にいたっては「スローロリス」と「ピグミースローロリス」の2種の表記しか見かけませんでした。
 COP12の結果を受け、国内での取り組みが進むことを期待しています。
最終文書
INVASIVE ALIEN SPECIES(UNEP/CBD/COP/12/L.5

(鈴木希理恵 JWCS事務局長)

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愛知ターゲットと地方政府の関与

 JWCSが市民ネットのポジションペーパーを通じて提言したことの一つに、愛知ターゲット3達成における地方政府の役割の追加がありました。資源動員の議題では地方政府についての文言の追加はありませんでしたが、地方政府との連携は一つの議題になっています。
 愛知ターゲットの達成のため、地方政府に、土地利用計画や交通、水や廃棄物の管理では生物多様性への配慮を統合すること、自然を基本にした解決策、人々の健康や生計、再生可能エネルギーは生態系からの恵みであることを示して、生物多様性の問題の優先順位を上げることなどを促しています。(UNEP/CBD/COP/12/L.22 Para5)

地方レベルでの生物多様性の主流化、愛知ターゲット達成のために地方自治体を支援(para6(a)(b))などの文言もあります。

 これは、JWCS愛知ターゲット3委員会の研究結果で注目している地域の取り組みを応援する内容です。ぜひ日本の政策にも取り入れて具体化してほしいと思います。

 また2016年の締約国会議の中心議題として、農林水産業での生物多様性保全の主流化が話し合われることになりました。(UNEP/CBD/COP/12/L.18 Annex)

 このような国際的な流れを考慮し、日本での取組事例を掘り起して、愛知目標達成のための提言を行っていきます。

(鈴木希理恵 JWCS事務局長)

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