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2013年11月29日 (金)

第1回アジア国立公園会議(APC) 保護地域の管理と生物多様性

11月13日~17日、第1回アジア国立公園会議(主催IUCN、環境省)が仙台国際センターで開催されました。
 会議では「保護地域の協働管理」のワーキンググループを中心に参加しました。その一部をご紹介します。


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●住民の協力を得るために絶滅危惧種の輸出を可能に

 パキスタン政府は、地域コミュニティーが管理するトロフィーハンティングの制度を成功例として報告していました。パキスタンの山岳地帯に生息する野生のヤギ、マーコールは角が長く、ハンティングトロフィー(狩猟記念品・壁に飾る頭部の剥製)として人気が高い種です。マーコールはIUCNレッドリストのでは絶滅危惧種でワシントン条約(CITES)では附属書Ⅰ(国際取引原則禁止)に掲載されています。

 パキスタン政府は住民の協力を得るために輸出枠を求め、第12回締約国会議でシーズン毎マーコールの輸出枠は12頭に決まりました。この12頭は3つの保護地域に割り当てられ、狩猟の代金の80%が地域の保護委員会の収入になり、人口増に対応するためのインフラ整備や教育に使っているそうです。プロジェクトはWWFパキスタンがサポートしています。輸出割り当てに対して、パキスタン政府は保護地域ごとのマーコールの生息数を条約事務局に提出するなど管理義務があります。

 この制度が成功例であり続けるための運用や、そもそも外国人が払う高価な狩猟代金に依存する制度や、絶滅危惧種のハンティングトロフィーを珍重する価値観など、生物多様性を保全する奨励措置として考えるうえでは論点があるように思います。


●アジアゾウ・オランウータンの生息地での違法伐採

 インドネシア森林省からは保護地域での違法伐採対策についての報告でした。アジアゾウ、オランウータン、スマトラサイなどの重要な生息地であるルーサー国立公園では保護地域内で違法伐採が行われ、パームヤシの農園にされています。保護地域の面積に比べ森林省の職員が少なく能力開発も不十分なため、地域のリーダーと協力して、コミュニティベースのエコツーリズムを実施しているそうです。

 ルテン・レクリエーション公園では違法伐採され、跡地がコーヒー農園になっています。そこで地域でのワークショップや共同アクションプランの策定、コーヒー農園以外の産業育成を行っているそうです。

 しかし違法伐採の背後には、都市部に住む権力者がいるけれど逮捕できないと、報告者はくやしそうに話していました。その代わりに違法伐採に手を染める貧しい人たちに、エコツーリズムなど別の仕事を提供しているとのことでした。

 米国では違法に捕獲した野生動物の売買を禁じるレイシー法があり、今では木材も対象になっています。そして米国の国内法だけでなく、原産国の法律に違反した製品の米国内での所持・販売も取り締まりの対象になり、事業者自身が合法であることを証明しなければなりません。しかし日本には違法木材の輸入に対してこのような強い規制はありません。各国が協力して違法木材を市場から締め出せば、インドネシアの生物多様性保全に貢献できるのではないかと思います。


(鈴木希理恵 JWCS理事)

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