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2013年6月11日 (火)

抗いがたい、生きものと暮らすという誘惑

-「東京レプタイルズワールド2013」の報告-

CITES CoP16で注目を浴びた両生類やは虫類。これらの他、ほ乳類、鳥類、昆虫などを含む、海外から輸入された動物達のうち、犬・猫以外のことは、「エキゾチックアニマル」と呼ばれています。
このエキゾチックアニマルが大集合すると銘打たれ、「東京レプタイルズワールド2013」が、東京・池袋のサンシャインシティで5月18日・19日に開催されました。

東京レプタイルズワールド2013のwebサイト

●ペットとして販売されるさまざまな動物たち
 熱気あふれる会場には、大小さまざまな動物たちが所狭しと小さなケースに入れられ、並べられていました。
 動物の中では気味悪がられることの多いヘビの仲間が数多くいるにもかかわらず、会場は進むのも大変なほどの盛況ぶり。自慢のペットを連れてくる人もちらほらと見られ、みんな嬉々として動物たちに見入っていました。
ヘビやカメレオンなどは、動物園でも見たことのないような種類がたくさんいました。お店の数も動物の数も予想以上ですべてを記録することはできませんでしたので、ほ乳類と、カメを中心としたは虫類をできるだけ見てきました。
 下に、会場で見かけたおもな動物たちをあげますが、一番高額で取引されていたのはシロガオサキの雄で、1匹320万円でした。

・ほ乳類:シロガオサキ、インドタテガミヤマアラシ、コモンマーモセット、キンクロライオンタマリン、リスザル、ピグミースローロリス、アカハナグマ、ミーアキャット、プレーリードッグ、メガネヤマネ、コモンツパイ、インドオオリス、ホワイトシマリス、イングリッシュアンゴララビット、ハリネズミ、フクロモモンガ、ロボロフスキーハムスター、デマレフルーツバット
・カメ:ナミビアヒョウモン、チュリーヘッドアカアシ、ホールスフィールド、ベルセオレガメ、ビルマホシガメ、キンバリーアカミミマゲクビガメ、アルバーティスマゲクビガメ、アカミミガメ、ヨツメイシガメ、ヒジリガメ、ノコヘリハコヨコクビガメ、マダガスカルヌマヨコクビガメ、フチドリニシキガメ、ギリシャリクガメ、ソマリアリクガメ、ロシアリクガメ、マルギナータリクガメ、ニホンイシガメ、セマルハコガメ、モエギハコガメ、クロハラモエギハコガメ、マタマタ
・カメ以外のは虫類:カールシュミット、エルドラドギャリワスプ、クラブテールイグアナ、クラカケカベヤモリ、マツカサヤモリ、ニシキビロードヤモリ、パンサーノシベ、ニホンイモリ、ゲイリートゲオアガマ、ボールパイソン、オレゴンレッドスポットガータースネイク、フロリダブルーガーター、アネリケニアスナボア、サイエリキングスネーク、ラフグリーンスネーク、アイゾメヤドク、サマージー、クリストパルレッド、シュレーゲルアオガエル、モリアオガエル、ミヤコヒキガエル

注:会場にて販売されていた動物の名前をそのまま記録していますので、標準和名とは限りません。

・東京レプタイルズワールド2013のギャラリーで会場の様子や販売されていた動物の写真が見られます。

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熱気にあふれる会場の様子

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小さなケースに入れられ所狭しと並べられる動物たち

●CITES附属書に記載される動物たち
 会場で販売されていた動物たちの中には、すでにCITES附属書に記載され、取引が規制されている動物に加えて、CITES CoP16で新たに記載された種や評価が見直され、6月12日以降に追加される種なども含まれていました。また、CITES附属書Ⅰに記載され、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」(種の保存法)で国際希少野生動植物種に指定されている種については、きちんと希少野生動植物種登録票がケージの前に提示してありました。

 たとえば国際希少野生動植物種であるスローロリスは、1頭が65万円~80万円で販売され、規制適用日以前に取得された個体となっていました。同じく国際希少野生動植物種のキンクロライオンタマリンも販売されていましたが、こちらは国内繁殖の個体で、マイクロチップも入れられていました。また、CITESの附属書Ⅱに記載されるヤドクガエルの仲間、そしてヒジリガメやリクガメ科のカメ達は比較的安価で、かなりの数が販売されていました。

 また、CITES CoP16で提案され、6月12日から国際希少野生動植物種として国内でも取引が規制されるようになるビルマホシガメや、同じくCITES CoP16で提案され、商業目的の野生標本の割当量を0(ゼロ)とすると規制が強化されたモエギハコガメも、数個対販売されていました。

参考1:トラフィックイーストアジアジャパン ワシントン条約の対象種(附属書)動物一覧表 (2012/9/25 現在)

参考2:トラフィックイーストアジアジャパン 第16回ワシントン条約締約国会議 附属書改正提案に関する結果一覧

参考3:環境省報道発表資料「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」の公布について(お知らせ)

●売買される日本の野生動物
 会場でおもに見られた野生動物のリストですでに挙げましたが、日本の野生動物も会場で販売されていました。

 とくに、CITES CoP16で附属書Ⅱに記載されるようになったニホンイシガメは、会場で小さなカメがバケツに大量に入れられ、1匹2,800円で売られていました。
 そのほか、モリアオガエルが1,300円、シュレーゲルアオガエルは500円、大東島産とされるミヤコヒキガエルが3,800円で売られていました。

 また、会場では日本だけでなく海外にも生息しているコノハズクやチョウゲンボウなどの猛禽類も販売されていました。天然記念物のセマルハコガメも含めて、おそらくこれらは海外で捕獲されて日本に持ち込まれたものと考えられますが、野生では双眼鏡で遠くでしか見られない猛禽類が、ケージの外の止まり木でおとなしく座っているところには、たくさんの人だかりができ、多くの人が写真を撮っていました。

 これらの動物たちは、現在でも環境の変化や外来生物の影響などで地域によっては個体数が減少しているところもあります。
 ペットとして買えば、こんなかわいい動物たちが毎日家で待っている生活が訪れるという誘惑は、動物好きにとっては本当に抗いがたい誘惑です。
 しかしこれらの動物たちを買うことは、もし日本の野生動物でなかったとしても、海外の野生動物達を捕まえ、危機にさらす大きな要因の一つになっているのです。
 今後ペットとして、これ以上多くの動物たちが売買されるようになったりしないことを願わずにいられません。

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イシガメのバケツ売り

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チョウゲンボウの仲間

廣瀬光子 JWCSスタッフ

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