無記名投票の実施を厳しくする提案 否決
最初に昨日からワーキンググループが話し合いをしてきましたが、合意できなかったことの報告がありました。
日本から「無記名投票ができるようにするための要件を厳しくするルール変更には、3分の2以上の賛成が必要とする」という動議が出されました。
そして中国からその動議は無記名投票で行いたいとの発言があり、それに賛成の国がボタンを押しました。賛成の国は議長によって読み上げられ、日本のほかアフリカ、中東、東南アジアの国々の名前が挙がりました。現行の10か国以上の要件を満たしているので、日本の動議は無記名投票で行うことになりました。
投票の結果、賛成71、反対56、棄権3 で動議は過半数で採択されるため、日本の動議は採択されました。
2回目の投票はコロンビアの提案です。無記名投票にするための要件を現行の10か国から40か国にする、というものですが、ここからは採択に3分の2以上の賛成が必要です。
またこの投票も中国からの無記名投票で行いたいとの提案が出され、賛成の国が読み上げられて無記名投票で行われることになりました。
賛成67、反対62、棄権5 で3分の2を超えないので否決されました。
3回目の投票はEUの提案(議題4.2)です。現行の10か国から過半数の賛成にするというものです。これも同じように無記名投票で行われることになり、ました。
賛成62、反対62、棄権5 で3分の2を超えないので否決されました。
4回目の投票はメキシコとチリの提案(議題4.3)の改定案でアメリカが提案しました。変更の10か国の賛成から25か国の賛成にするというものです。これも同じように無記名投票で行われることになりました。
賛成41、反対91、棄権1 で3分の2を超えないので否決されました。
5回目の投票はメキシコとチリの提案(議題4.3)で10か国の賛成から3分の1にするというものです。これもまた同じ経緯で無記名投票で行われることになりました。
賛成66、反対64、棄権2 で3分の2を超えないので否決されました。
6回目の投票はメキシコとチリの提案(議題4.3)の一部分で無記名投票については無記名投票にしないという提案です。これもまた同じ経緯で無記名投票で行うことになりました。
賛成67、反対50、棄権11 で3分の2を超えないので否決されました。
このため、10か国が無記名投票に賛成であれば、引き続き無記名投票が行われることになります。
無記名投票では、決議に対する責任があいまいで、どの国がどんな意見なのかを知って意見を重ねるには障害です。自分の国の代表が条約の決定にどのように関わったのかも透明でありません。
無記名投票では、決議に対する責任があいまいで、どの国がどんな意見なのかを知って意見を重ねるには障害です。自分の国の代表が条約の決定にどのように関わったのかも透明でありません。
国際交渉はさまざまな要素がかかわって、条約の理念だけでは動かない現実はありますが、理念に近づけるよう、決定の透明性を高める方向に進んでほしいものです。
規制を伴うワシントン条約と生物多様性条約は影響が違いますが、時間がかかってもコンセンサス(合意)で決める生物多様性条約と比べて、無記名投票で結論が出てしまうと「建設的な次のアクション」の妨げになるように感じました。
日本政府の発言を聞いて、異なる意見の人と議論して合意し、だんだんと目標に近づく結論を出し行くことが苦手なのかなと思いました。それはとっても困難な道のりだと思いますが、言葉をもった人間だからできることで、それに地球の未来がかかっているのでしょう。
規制を伴うワシントン条約と生物多様性条約は影響が違いますが、時間がかかってもコンセンサス(合意)で決める生物多様性条約と比べて、無記名投票で結論が出てしまうと「建設的な次のアクション」の妨げになるように感じました。
日本政府の発言を聞いて、異なる意見の人と議論して合意し、だんだんと目標に近づく結論を出し行くことが苦手なのかなと思いました。それはとっても困難な道のりだと思いますが、言葉をもった人間だからできることで、それに地球の未来がかかっているのでしょう。
(鈴木希理恵 JWCS)
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