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2013年3月 2日 (土)

日本と関係の深い議題2 サメ

●増えにくいサメの仲間
 サメやエイの仲間は4億年も前から生息しているといわれ、サンマやイワシなどの硬骨魚類よりも古い生き物である軟骨魚類です。そのため同じ「魚」でも繁殖できるまでに成長するのに時間がかかったり、卵の数が少なかったりするので、一度、生息数が減ると増えにくい生き物です。

●漁業対象種もCITES
 でも漁業対象種はワシントン条約じゃなくても国家間で漁獲枠を話し合う場があるのでは?と思いますが、よく報道で耳にするICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)などの国際漁業資源管理機関(RFMOs)ではほとんど取り組まれていません。フカヒレを取るため、船の上でヒレだけ切り取って海に投げ捨てる「フィンニング」が国際的に非難されましたが、そのフィンニングの禁止とでいーた収集の強化、資源状態の調査はやることになっていますが、種としての生息数を維持するための取り組みはほとんどなされていません。
 サメは他の魚が目的の漁で混獲されて海に捨てられることもあるため、漁獲量がよくわからないまま生息数が減ってしまっている種と言われています。

●これまでの締約国会議では
 ワシントン条約は「国際取引に関する条約」ですので、国際取引が原因で絶滅しそうな種が対象になります。
これまでジンベイザメ、ウバザメ、ホホジロザメが輸出に許可が必要な附属書Ⅱに掲載されましたが、今回提案されているヨゴレ、アカシュモクザメは前回の会議で否決されて再度の提案、ニシネズミザメは3回目の提案です。
 このほかに今回はヒラシュモクザメ・シロシュモクザメ・オニイトマキエイ(マンタ)属全種ほかエイの仲間3種の規制強化(アップリスト)が提案されています。
 これまでの締約国会議で、日本政府はCITESでの規制に反対の立場をとっています。

シュモクザメの仲間のフカヒレは高価で取引されます
 ・アカシュモクザメのIUCNレッドリスト記載文(JWCS翻訳) 
   http://www.jwcs.org/data/Sphyrnalewini.pdf 
 ・ヒラシュモクザメのIUCNレッドリスト記載文(JWCS翻訳)  
   http://www.jwcs.org/data/Sphyrnamokarran.pdf

マンタの提案書(JWCS翻訳ボランティア)
 日本でマンタというとダイバーのアイドルのようなイメージですが、食用・薬用のため乱獲されています。
ニシネズミザメの提案書(JWCS翻訳翻訳ボランティア)
ヨゴレザメの提案書(JWCS翻訳翻訳ボランティア)
アカシュモクザメの提案書(JWCS翻訳翻訳ボランティア)
参考:石井敦 「生物多様性における科学と政治-サメ類の資源管理を事例に-」『生物多様性をめぐる国際関係』大学教育出版 2011 P19-43

                               (鈴木希理恵 JWCS理事)

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日本と関係の深い議題1 カメ

●日本からの提案 リュウキュウヤマガメ
 リュウキュウヤマガメは、日本では天然記念物に指定されているので、捕獲や日本での流通は規制されています。それにもかかわらず海外で販売されていることが明らかになったため日本政府は、国際取引に許可が必要な「附属書Ⅱ」に掲載すること提案しています。
 そして野生個体・飼育繁殖個体の商業目的の取引の割り当て量をゼロとするため、実際には商業目的の輸出は条約で禁止されることになります。

  日本の提案書
●このほかにもカメの提案多数
 アメリカ、中国、ベトナムからリクガメやスッポン科のカメについて、規制を強化する方向の提案がなされています。
 カメはアジアでは縁起のいい生き物としてペットとしての需要があります。また食用や薬に利用されることもあります。下記の「イシガメ科の提案書」の中にもあるように、ひとつの種の取引の規制が強化されたり、商業的に利用できないほど数が減ったりすると別の種が乱獲され、多くの種が絶滅の危機にあります。
 日本でもペットとしてのカメの需要は高く、ワシントン条約違反の密輸(税関差止)件数が以前ほどではなくなってもカメの密輸は絶えることがありません。

イシガメ科の提案書(JWCS翻訳ボランティア)
                                   (鈴木希理恵 JWCS理事)

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