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2012年2月 3日 (金)

「えっ、まだ禁止じゃなかったの?」種の保存法点検会議 傍聴記

種の保存法を見直すための「点検会議」が開かれました。
( http://www.env.go.jp/nature/yasei/tenken.html )
今回傍聴したのは、ワシントン条約で規制されている外国の野生動植物の流通についての会議でした。


 印象的だったのは、象牙や毛皮などの野生生物由来の高級品や、希少動物ペットは所有が最終目的なのに取引の時しか違法にならず、所有禁止にすることが困難、ということでした。
 例えば本物のヒョウの毛皮を着ていたり、希少動物を飼っていたりすると、多くの人は「カッコイイ!」というより「それ、いいの?」と思うようになったのではないでしょうか。そうした人々の意識の変化に法律が遅れているように思いました。

 また輸入の時に必要な書類がそろっていないことを税関に指摘されたとき、所有権を放棄する「任意放棄」やインターネット・オークションなどに違法な出品があってもサイト管理者は責任を問われないなど、責任の所在を厳しく問わない法制度についての意見もありました。

 そしてたびたびマスコミがとりあげる、没収された密輸動物の飼育が動物園の経営や展示を圧迫している話や申請の悪用は、この会議の話題になってようやく改善に向けて動くのだろうかと思いました。

 「法律で規制すべきか社会的な合意はあるか」どころか「えっ、まだ禁止じゃなかったの?」という意識の変化に、法律が追いついてほしいと思いました。

<傍聴メモ>
希少野生生物の国内流通管理に関する点検会議 
第二回会合 2012年1月30日 経済産業省会議室

●今なお続く象牙と爬虫類ペットの密輸
以前より違法取引件数は減ったが、今でも違法取引されるのは、象牙と高額な爬虫類ペットであった。違法取引の収入の方が罰金より高いので、再犯事件も。罰則の強化が提言に盛り込まれた。

●財産権が強い日本の法律
日本の法律で所持が禁止されているのは銃・刀、麻薬など社会的脅威が極めて強いものに限られ、所持を禁止することは難しい。所有者が合法性を証明することは所有を禁止することと同じなので、それができない。今は違法性を検察が証明しなければならない。
登録にあたっての虚偽申請に登録機関が十分な情報を得られるようにするというのは、原則所持禁止に近い考え方である。所有が種の存続を危うくすることが明らかになった時は、原則所持禁止にした方がよいとの意見があった。

●没収後の生きた動物は
没収後の生きた動物は、飼育技術のある動物園などで飼育している。しかし飼育の費用が十分ではないことが問題になっていた。税関で必要な書類がないことが明らかになった場合、任意放棄を認めず、責任を追及すべきではないかとの意見があった。
罰金は国庫に入るので、飼育の費用や原産国に返還する費用に充てられる仕組みにはなっていない。

●インターネットでの違法販売の責任は
ネットオークションの運営会社は、違法取引の利益からも収入を得ていることが指摘された。現在は違法な商品が見つかった時は、環境省が連絡してネット会社に削除してもらっている。売買した当事者に罰則はあるが、運営会社に罰則はない。環境省からはフリーマーケットの主催者にあたるとの認識が示された。ただ、販売目的の陳列にあたる可能性もあるそうだ。

●「国際希少野生動植物種登録票」制度の不備
登録した動物が死亡した場合、登録票が確実に返納されているかは管理されていない。 登録票の返納や所有者が変わった場合は申請の義務があり、罰金が決められている。しかし移動も把握できていない。登録票がコピーされ、悪用されている。登録票は販売目的で陳列する時や譲り渡す時に必要になる。売買ではなく所有が目的のとき、登録票はコピーでもいいという所有者がいる。
生物の年齢や違反の事例を参考に期間を決める、登録票の更新制度が提案された。

(鈴木希理恵 JWCS理事)

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