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2010年10月21日 (木)

里山って難しい…? その1

20日は、ワーキンググループ1の昨日から持ち越しの議題「生物多様性の持続的な利用」に参加しました。そこで気になったのが、日本政府が提案した「SATOYAMAイニシアティブ」について「もっと理解を深める」という発言です。

(SATOYAMAイニシアティブとは?
「SATOYAMAイニシアティブは、人々が古くから持続的に利用や管理をしてきた「社会生態学的生産ランドスケープ」の維持や構築を図り、生物多様性と人間の福利に資する「自然共生社会」の実現を目指しています。」http://satoyama-initiative.org/jp/ より )

会議では、SATOYAMAイニシアティブを支持する発言もたびたびありました。理由として先住民・地域社会による生物多様性の維持管理、貧困削減につながることが挙げられていました。

一方で「意味が分からない」との発言もちらほら。コンゴ民主共和国は「説明が必要」、ニジェールは「国連の公用語全部に翻訳してほしい」、ベラルーシは「ロシア語版のブッシュミートの部分が意味不明」、エクアドルは「よくわからないので見解を留保」などなど。

日本でも地域によって「SATOYAMA」の姿はさまざまです。一般的なイメージは、斜面に昔は薪や建築材料にする林があり、低くて平らなところに田んぼがあり、田んぼの上流にはかんがい用のため池があり…という風景でしょうか。でも日本の中でも、北海道の明治時代以降に広大な畑ができたところ、区画整理された田んぼが広い平野にどこまでも続いていることろ、沖縄の一面のサトウキビ畑…といろいろなところがあって、それぞれの地域や世代の人が思い浮かべる「SATOYAMA」のイメージはまちまちなのではないでしょうか。Satoyamapop_2

国連大学が世界の「SATOYAMA」の研究を進めていますが、世界の人にとってSATOYAMAイニシアティブどんなプロジェクトにつながるのか想像できないようです。

また日本のように人口密度が高くて、国土のほとんどの自然に人の手が入っている国ばかりではありません。

ドミニカ共和国も「保護地域の利用には反対」とし、「ゾーンのカテゴリーを決めるべきだ」と発言。つまり、人の手を加えないで守ってきた保護地域と、「SATOYAMA」として管理する部分を明確に分けないと、生物多様性が失われるという意見です。

EUも「利用のプラス面とマイナス面を知るべき」「生物多様性にとって悪い補助金につながらないようにしなければならない」と警告する発言をしていました。

こうした懸念の発言に対しガーナは、混乱をさけるためイニシアティブの内容の記載を求める発言をしていました。

この議論から、議長は「SATOYAMAイニシアティブ」に絞った討議が必要として、提案国の日本とこれについて発言した国々による「フレンズグループ」を指名しました。そして議案の中身を整理する建設的な発言をしたガーナを議長に指名し、その日の夜に会議をすることになりました。
(つづく)

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