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2010年10月27日 (水)

地球のために歩み寄りを!

◆会期の終わりに向けて
 26日の作業部会は懸案事項を残したまま、残りの議案文を採択する作業に追われていました。「議長、あまりにも早く進むので、前のパラグラフに戻って意見を述べたいのですが」という場面もしばしばでした。

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 またか、という空気が流れる中で、二つの作業部会の議場は笑顔とユーモアで議事を進行していきます。文化の違いや議長に選ばれる人の資質を感じます。とはいえ、スクリーンに大写しにされる議長の顔には疲労の色がはっきり出ています。

◆難航する「ポスト2010年目標 新戦略」
 昨日に引き続き、新戦略はコンタクトグループによる討議が続いています。目標5と11は、依然意見が分かれているとの報告が、作業部会2でなされました。

 26日付の会議資料では、目標5の自然生息地の損失を止めようという部分で、森林をとくに明記するか、サバンナ、湿地、サンゴ礁など他の生態系も明記するかなどの意見が出て決まっていません。
 損失防止の程度も「少なくても半減する」「2010年のベースラインに反して」「(経済的に)引き合うところで」「ゼロに近づく」で意見が割れています。

 目標11の水域保護の面積については、陸域・内陸水域の15%か、20%か、25%か意見が割れています。そして沿岸・海域の保護区面積を入れるのか、入れるとすれば6%、10%、20%のどれにするかで意見が割れています。

◆利益配分や資金も決まらないと
 新戦略と同じく難航している議題は「遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)」と資金の問題です。
 ABSについては、条約の決定よりも拘束力のある議定書を採択できるよう、会期中ずっと小委員会の形で話し合いが続けられてきました。

 しかし、農作物や医薬品などの分野で遺伝資源の利用が大きな産業になっている先進国と、自国の生物多様性の恵みである遺伝資源を利益の配分なく利用されている途上国との討議が続いています。

 また保護区が必要な地域は途上国にあり、生物多様性保全を実現させるためには人的・資金的能力の支援は必須です。

◆地球のために譲歩を
 先進国が遺伝資源利用で譲歩し、条約の実効のために人的・資金的能力を増やすことを約束しなければ、途上国は自国の経済発展を妨げるような保護区の設定を認めるわけにはいかないでしょう。

 地球の生物多様性が崩壊し、再生できなくなる点(ティッピング ポイント)まであとわずかだと言われています。生物多様性が崩壊したらビジネスなんて言っていられません。生物多様性は人間にとっても生活の基盤です。

 目の前の利益にとらわれて、先進国も途上国も同じ地球の未来を失わないよう、地球のために譲歩してほしい。会期はあと3日です。
                    JWCS 鈴木希理恵

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