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2010年3月19日 (金)

ワシントン条約、クロマグロの否決の詳細

ワシントン条約会議も6日目を迎えました。

第1委員会ではご存知のように大きなトピックがありました。

これはなかなか日本で報道されていないのですが、午前、ホッキョクグマの商業取引についてです。カナダでは合法的に狩猟が認められています。イヌイットの人もそれで生計を立てている人も少なくないということ。

それに対して米国がホッキョクグマを附属書Ⅰにあげるように提案。今日の午前までクロマグロの「ク」の字のも感じられないくらいホッキョククマは大きな問題で、SSN(種の保存ネットワーク)でもロビー活動を熱心にしていました。

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米国の提案内容発表の後、カナダがまずは反論。カナダ政府に続き、イヌイットの方も発言。世代で受け継がれてきている伝統を強調。問題は温暖化であり、ワシントン条約会議で話すことではないという論調。

ルワンダ、エジプト、続いてスペインが予防原則に触れながら米国のホッキョクグマ提案に賛成発言。
デンマークがアイスランドの発言を促す。温暖化の問題であり、ホッキョクグマ狩猟者をはじめ適正な管理ができていることを主張。イエメンは過剰狩猟を指摘。
次に、NGOの発言にうつる。Defender of wildlife 保護団体は狩猟のインパクトを強調。産業団体は、イヌイットにとって狩猟が重要であることと適切な管理ができていることを強調。

いよいよ投票です。

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委員会での結果。米国の提案に対して賛成48.反対62.棄権11でホッキョクグマの米国提案棄却。投票時間は一分もない。

次の議題は。マリアナマガモ。
絶滅したということでどこからも異議なく附属書1から削除。5分もかからず!ずいぶんあっけなかったですね。

第一委員会は南米のモレットクロコダイルについて。メキシコは個体数が安定したとして附属書Ⅱへダウンリストを主張。グアテマラは絶滅危惧種であり、密猟が多いとして反対。
EU代表スペイン、中国、米国はメキシコ支持。

話し合いにより妥協できそうだったので投票はしないようです。

次は、エジプトがナイルクロコダイルについて。エジプトは自国の個体群ダウンリストを提案。ナイルクロコダイルについて日本政府発言。個体数も増加しており、ダウンリストに賛成。エジプトの経済効果なども鑑みて持続的利用を支持。

投票を行った結果、3分の2の支持を得られなかったので、棄却されました。

お昼は、WWFとトラフィックによるクロマグロの映画上映会があったのです。参加者はほぼ欧米の方ばかりでした。
午後にクロマグロがあることを狙ってですね・・・

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いよいよ午後の委員会開始。クロマグロの議論がはじまります。まずは提案国モナコが提案内容を説明。
まずは、スペインが発言。EUとして、資源枯渇状況を見て、モナコを支持。 カナダも支持。ICCATでも引き続き資源管理をすると同時にワシントン条約の必要性も訴える。チリが発言。

やっと日本が発言。日本は今まで資源管理をしてきたのに皮肉である。ICCATで議論すべきでワシントン条約でやるべきではない。クロマグロの資源は十分あり、絶滅危惧種ではないし、附属書1の基準を満たさない。 クロマグロを認めれば他のマグロの門戸を開くことになる。漁業開発途上国も輸出できなくなるのも経済的に困るだろう。申し訳ないが、不公平だ。ICCATで十分であり、どんな附属書でもどんな条件も受け入れられないことをかなり熱が入って主張していた。日本からもう一人。リストの掲載は今後に影響を与えるから今は適切ではない。一度掲載されると取消やダウンリストが難しい。と説明。

海洋資源に依存しているとしてモナコの提案にグレナダも反対。韓国もICCATですべきだと主張。セネガルも大西洋な国として海の資源に依存しており同調、リスト掲載に反対。
一方、ケニアはモナコの提案に賛成。ICCATとワシントン条約で資源回復すべきと主張。米国もモナコを強く支持。

議長からICCATとFAOがそれぞれ発言を求められる。

漁業は経済問題であり、クロマグロは移動性のため専門的に管理機関に任せべきと発言するのはモロッコ。ナミビアも漁業資源管理はICCATでの管理を望む。 ノルウェーが終わって、NGOに発言の番がまわる。

WWFはもちろんモナコに賛成。WWFの間、JWCSの隣に座る日本かつおまぐろ漁業協同組合の人がスクリーンに映し出される。こんな作為的なことは初めてだったのですが、映像担当はどこが!?

この後から一気にヒートアップ!

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リビアがかなりあつくエビデンスがないとモナコを激しく批判しはじめる。話も長く、ペーパーを持ちながらぶんぶん身振り手振りであつくなる。英語通訳者も息があがって、通訳者自体クスクスした場面があった。。英語の通訳になまっていたのと、JWCSおなじみのオリンド博士がこの状況に驚いてJWCSの席まで来てくださったため、リビアがどんな主張をしていたすべてはききとれなかったのですが、もうあれはパフォーマンスに近いような感じ。ちょっと会場ハプニング状態!リビアが立ちはじめて、マイク切られ、会場ざわつく。かなり熱入ってます。 マイクを切られても立ち上がり発言権を求める。。

この時点で2時間が経過。

まとまり切れない空気になり、議長が議論を中止するか、継続するか投票にすることになった。中止を求めたのは73。継続希望は43で、もうこれ以上議論せずに投票するということになった。

その後、まず欧州の修正案が通過したので、モナコの提案の投票に移る。賛成20、反対68、棄権30でモナコ案が否決された。最後の30分でバタバタと決まった感じ。

取り合えず議長が「閉会」と言う前に、もう会場の皆は終わったという感じ。あまりに長がったこともあるのか、投票結果が発表された瞬間歓声があがる。主に日本の報道陣と現地の報道陣が日本政府を囲んでバタバタになる。議論関係なく、最後は勢いで終った感じでみんな関係者は豆鉄砲を食らった感じの空気と行った方がちかいですね。。

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水産庁が一番驚いているのかもしれませんが・・・

明日、あさっては会議がお休みの日です。
ただあさってにカタール政府のレセプションがあるのでご報告します。

twitterでフォローしてくださった皆様、ありがとうございました。

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コメント

以前仕事で取材したあるグルメの先生が、本当の通はトロなんか食べないんですよ、と言っていたのを思い出します。

投稿: 花猫 | 2010年3月19日 (金) 18時31分

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