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2009年6月 5日 (金)

ホタル自然度

 先日の朝日新聞に、地域の荒れた自然を整備してホタルを呼び寄せる活動をしている人たちが紹介されていました。
 この時季、ホタルのことが新聞でどれくらい報道されているのか、インターネットで調べているうちに、「ホタル自然度」というのを考えてみました。

 まず「ホタルのふるさと」というものを考えました。といっても、このことばには二つの意味があります。一つは「ホタルが飛び交うふるさと」という意味です。これは、ホタルが生息する地域でその人は生まれたという意味です。もう一つは、「ホタルそのもののふるさと」という意味です。ホタルが進化の過程で生まれた環境の地域です。これがホタルにとってのふるさとです。こうしたところにすむホタルが野生のホタルということになります。ホタルの原風景ともいえます。これを自然度5としましょう。これとまったく対極にあるのはホタルの住まない環境です。これは自然度0となります。

 ホタルが生息しているけれども、もっとも自然度5の「ホタルのふるさと」から遠い位置になるのが、水槽の中で飼育されているという環境です。しかし、これにはいくつかちがうものがあります。自然度1と考えているのは、飼育したホタルを売って利益を上げている場合です。これは利益を上げていることを問題にしているのではありません。買った人は楽しみますが、その後間もなく死んで、そのホタルが子孫を残すことに関わらなかった個体だからです。

 自然度4は、農村にホタルの住む環境です。そこはホタルを生存させるためではなく、農業を営み暮らすために地域の環境を管理しているところです。そうした結果としてホタルが生息しているという環境です。ホタルが生息できるように特別に管理していなくても、そこに生活している人たちが、その生活を成り立たせているための環境を維持してゆけば、ホタルが生息できるというところです。

 自然度3は、ホタルが生息できるように環境を常に整備しているところです。そうした整備の手を緩めるとホタルは存続できなくなる環境です。そして自然度2は、水槽など人工飼育装置をつくり、そこで繁殖させて野に放つという環境です。

 自然度5以外の自然度4-1は、ホタルにとっては代替環境ということになります。あなたの住む地域はホタルの自然度はいくつですか?

 残念ながら私は都市郊外に住み、自然度0です。映画「火垂るの墓」のホタル住む環境は自然度4です。私が読んだ新聞記事のホタルが戻ってくるよう環境改善に取り組んでいる人たちは、まず自然度3にして、それから4へ格上げしたいと考えられているのでしょう。

ホタルの自然度

自然度5:ホタルが進化的に生まれた環境とほぼ同じ環境。人による影響が軽微。
自然度4:農村の自然など人によってつくられたホタル環境であるが、ホタルを生存させるために整備されている環境ではない。

自然度3:人がホタルを生存させるために整備している環境
自然度2:水槽など人工飼育器で繁殖させて野に放つ場合
自然度1:水槽など人工飼育器で繁殖させるが、観賞するだけ
自然度0:ホタルが生息できない環境

じつは、この自然度階級は、ホタルだけでなく、さまざまな生物にもはてはめられます。

JWCS副会長 岩田好宏

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