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2007年6月 7日 (木)

▼ どっちが大事? CITESと貧困地域の生計

         

◆ 6月6日、午前、第Ⅱ委員会の討議が始まりました。

国連ミレニアムサミットで採択されたミレニアム・ゴールにあらわれているように、「生物多様性(の構成要素)を持続的に利用し、地域の経済開発と貧困低減に資する」というのが今日のトレンドです。この点は戦略ビジョンの議論にもあらわれていました。

その一環として、CITESが(特に貧しい国の、貧しい人々)の生計にどう貢献するかが議論されるようになりました。貧困低減は重要な課題ですが、それを他の条約やプログラムに加えて、CITESでやれることなのか、やるべきことなのかについては大きな議論があります。

    

それはなぜか?
野生生物取引の推進しようという意図で地域の生計に影響があるという理由をつけ、絶滅危惧種の国際取引規制が緩められてしまうおそれがあるからです。

            

そこでNGOなどは、人々の生計に対する考慮を安易にCITESに持ち込むと、条約の核となる目的(国際取引を規制して種の絶滅を防止する)を損なうおそれがあるとし、慎重な姿勢をとっています。

オーストラリア、アメリカなど多くの国からも、人々の生計についてCITESで考慮することには賛成だが、取引が与える生物学的影響を判断する際にそれを考慮することには懸念がある、という意見が多く出されました。
発展途上国からも、これにはあまり異論がありませんでした。

     

◆ 印象的だったのは、JWCSと協力関係にあり、ACAのメンバーでもあるWTI(インド野生生物トラスト)のアショク・クマールさんの発言でした。
「多くのインド人は生物多様性に依存しています。私たちは、野鳥を取引すれば80%がその過程で死んでしまうことを知っています。また、取引の最終的な利益のほとんどは、地域共同体でなく、都市部の人間に入ることも知っています。バードウオッチングのガイドなどを地域の人々にしてもらった方が、よほど地域の生計に還元できる。取引と生計を安易に結びつけると、生物多様性に依存している国では、かえってEco—refugee(環境難民)を生むことになるでしょう。」

    

この問題について、各締約国に何を勧告するかは、作業部会を編成して議論されることになりました。

   

(JWCS事務局長 坂元雅行)

    

   

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