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2007年6月16日 (土)

6月14日CITES最終日

◆最終日の全体会は昼過ぎには終わることも多いのに・・・
 2週間とう長丁場のCITES CoP14も、いよいよ最終日となりました。委員会で決まったことが全体会で最終的に採択されるわけですが、議長が結果を読み上げ、やや形式的に採択が進んでいくことが通例です。ただし、それぞれの議題について3分の1の賛成が得られれば、討議の再開ができます。今回もいくつかの種の附属書改正提案についてそうなるだろうと予想されていましたが、実際はそれ以外の附属書改正提案以外の2つの議題で大もめになりました。実質的にブロックしたのはいずれも日本です。
まず、「附属書の定期的見直し」の議題です。第Ⅰ委員会でナガスクジラなど大型クジラについては、見直しの対象としないという決定がされていました。この議題についてパラオやカリブ海諸国などが議論を再開する提案をしました。これらの国が日本政府の意向に沿った発言をしているということには、(公式にどうかは別として)疑いを挟む人はいないでしょう。そして投票になった結果、否決されました(3分の1未満)。しかし、今度は、議長の議事進行手続がおかしいとして異議が相次ぎ、討議が空転。議長の議事進行が妥当かどうか投票されましたが、異議は否決。それにもまた異議が出され、さらに討議は空転、昼休みを挟むことになりました。締約国会議事務局がこれまでの手続について説明をしましたが、それでも島嶼国らから意見が相次ぎました。パラオは、わざわざ「これは捕鯨の問題ではない、附属書の定期的見直しは決められた手続である」と述べ苦笑を誘えば、日本は、パラオに同情する、その意見に同感であるとすました発言をしていました。結局、早く次の議題の討議に移るべきだという提案が出され、投票になった結果、過半数を大きく上回り、ようやく次の議題に移りました。非常に非生産的な時間の浪費と感じました。

今回の会議では、戦略ビジョンとそれに伴う予算増が大きな問題でした。「予算を要する事業」という議題について、事務局の50%増提案に対して、日本は3%、EUやメキシコは7.5% 増を主張した。日本は投票を求めたが、コンセンサスを目指すべきだという意見が相次ぎ、投票するか、しないかを投票した結果、否決、さらにコンセンサスが目指されることとなりました。コンセンサスにしないと、反対した国がそれを口実に、後日負担金を滞納するおそれがあるからです。日本は、差引勘定が2007年予算で5.01%あるので、そこから4.5%を組み込み、3%の実質増を合わせて7.5%とすればよいという妥協になっていないような妥協案を提案しました。
討議が続いた結果、日本は譲らず、メキシコや予算増に反対していたアメリカも、7.5%増のコンセンサスを説得しましたが、日本は同じことは繰り返したくない、7.5%の実質増のコンセンサスには絶対同意しないという態度を貫きました。その後、何度も議論は空転し、事務局は、こんなことはCITESの歴史始まって以来のこと、予算を決めずに家に帰れないと頭を抱え、議長は苦肉の策の議長案を出しましたが、あまりに灰色の表現のため、内容がわからないという意見が相次ぐ始末でした。
とうとうコンセンサスを諦めて再度投票をしかないというところまで行きましたが、イギリスが、投票するなら昨日までの15%増案を投票にかけるべきだと主張しました(7.5%はコンセンサスのための妥協案だったといことです)。非常に険悪な雰囲気になってきました。
さらに議事を中断した後、予算ワーキンググループの議長から、6%増でのコンセンサスを提案。多数の国が、条約の危機だ、野生生物種の保全のための条約の役割を考え、国際協調の姿勢をと訴えました。議長が、祈るような目で日本に意見を求めたところ、日本は、「申し訳ないがコンセンサスには乗れない。記録には残さないで欲しいが、負けてもいいから投票を求めざるを得ない、記録上はただ投票を求めたということにして欲しい」と述べ、会場は大笑いになりました。この発言は、日本を支持することに事前に合意していたと思われるアジア諸国、中南米諸国に対して、「もはや可決をブロックするな」というメッセージだったのでしょう。発言していた大使館の人に、3%以上を決める裁量権が認められていなかったことは明らかで、私自身はその人個人に対しては気の毒に思いました。しかし、日本政府の態度としては非協調的、わがままという印象が強く残りました。日本のイメージは大変悪くなったでしょう。
投票の結果、86%の多数で可決となりました。
 この後、ようやく他の議題に移りました。
 附属書改正提案で、全体会での討議再開申立があった種についての議論は次のとおりでした。
提案10 エドミガゼル(提案国:アルジェリア) 附属書ⅢからⅠへ移行
→コンセンサス採択
第Ⅰ委員会では否決されていたが、アルジェリアが全体会での討議再開を求めた。ケニアはEUが反対したために第1委員会で敗れたと述べた。コンセンサスで再開後、EU原産国のすべてが支持しており、取引の影響についても十分説明を受けたので、賛成すると発言。附属書Ⅰへの掲載となった。

提案16 アズラツノザメ(提案国:EUを代表してドイツ)附属書Ⅱへ掲載
→否決
第Ⅰ委員会で否決されていたが、EUが全体会での討議再開を求めた。アイスランドの要求による秘密投票で再開が可決された後、討議が行われ、アイスランドの要求による秘密投票が行われた結果、48%賛成でまたも否決。

提案21 サンゴ属全種(提案国:アメリカ) 附属書Ⅱへ掲載
→否決
第Ⅰ委員会で化石サンゴを除く修正後、可決されていたが、全体会で、秘密投票の結果、討議再開。その後日本が要求した秘密投票の結果、52%賛成で再度の可決となった

 全体の附属書改正提案の結果は、後日お知らせしたいと思います。
◆次回締約国会議(CoP15)の開催国
カタールが、首都ドーハでの開催に名乗りを上げ、採択されました。前回もアジア地域でしたが(タイ)、中東では始めての開催となります。
 これで、議題は終了。オランダ環境大臣の挨拶で閉会となりました。午後6時50分。最終日の全体会としては、今までにない長丁場でした。
07615cop14


・閉会式です。

 まもなく、ハーグを離れます。日本から改めてメッセージを載せたいと思います。

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