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2007年6月 7日 (木)

▼ 在庫象牙60トン解禁でも、浮かない業界の顔?

        

◆ 象牙問題・・・
6月2日に行われたCITES常設委員会の決定により、ボツワナ、ナミビア、南アフリカは、3国あわせて60トン以内の象牙を日本へむけて輸出できる状態になりました。中国の輸入国指定は来年の常設委員会で再度議論されることになりますから、アフリカ諸国がさっさとオークションを行えば、日本しか買うことはできません。ただ、日本と中国とどちらがたくさんお金を出すか、ということで、アフリカ諸国が模様眺めをするといううわさもあります。

   

◆ 1999年に日本が50トンの象牙を輸入したときは、13社(業界団体の組合員のみ)がオークションに参加を許されました。このような入札者の限定は、輸出国の意向という建前のようですが、実際には、日本の経済産業省と象牙業界団体で決めたことでしょう。アフリカ諸国とすれば、違法取引をするような業者が入ってきては困るが、同じ組合の人しか入札しないなら、談合が生じて高値で売れない、という懸念があるはずです。

     

◆ 今回、もし日本と中国が競り合うことになれば、オークション価格はさらに高くなり、仮に日本の業者が競り落とせたとしても、日本国内で未加工象牙や印材を卸すときにはいったい幾らになるのか、はたして元がとれるのか。中国マネーは想像するよりさらに強力なようです。

   

このように、日本の象牙業者にとっても決して手放しで喜んでいられる状況とはいえないのが現状ですが、ゾウにとってはそれどころではありません。元がとれる安い象牙=密輸象牙の需要が高まることは必至です。

   

◆ ボツワナ、ナミビアによる、2002年以降に蓄えられた新たな在庫象牙、それ以降毎年一定量の象牙を輸出するという新たな提案は、今のところ、来週初めに議論されると見られています。
日本と中国が競り合うような状態になってくると、目の前に札束がぶら下がっているようなものですから、アフリカ諸国も新たな解禁により熱心になるでしょう。ゾウにとっては本当に厳しい状況です・・・。

   

(JWCS事務局長 坂元雅行)

   

    

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▼ 日本でも大人気!ペット需要高まるスローロリス

            

◆ 6月6日、SSN(種の保存ネットワーク)のメンバーであるプロ・ワイルドライフとケア・フォー・ザ・ワイルドがサイドイベントを行いました。
霊長類の捕獲・取引は、アフリカで、アジアで、そして南米でも大きな問題になっています。特にアフリカでの問題はブッシュミート問題とも関連して、よく知られています。
しかし、事態は南米でもひどいようで、ブラジル・アマゾン地域だけで年540万ものサルが捕獲されているといわれているそうです。

   

◆ アフリカと南米についての報告の後、スローロリスについての2つのプレゼンがありました。  

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まず、ネカリス博士によるスローロリスの分類と絶滅のおそれのある状況が最初に報告されました。スローロリスは北インドから東南アジアにかけて分布する、原始的なサルです(原猿類と呼ばれます)。
これまで3種に分類されていましたが、5種に変更される見通しです。実は、将来それ以上の種に分けられるようになるだろうというお話でした。スライトで形態を見る限りでも、顔の模様や頭の形など形態的にもかなり異なっています。

   

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これらのスローロリス類は、生物学的情報が不十分なものもありますが、押しなべて森林伐採による生息地破壊とペットや漢方薬目的で取引するため大量に捕獲され、絶滅のおそれに瀕しています。

      

次に、ケア・フォー・ザ・ワイルドのバーバラさんからは、取引の実態の報告がありました。インドネシア・ジャカルタの市場でロリスが売られていますが、噛みついても怪我をしないように、プライヤー(ペンチのような工具)で歯を引き抜いたり、より珍しく見せようと全身が黒く塗られて売られているものがありました。栗かクルミでも詰めるように子ロリスが袋につめられていました。

    

ロリスの行き先は、東南アジア内、中国、日本が主要なところです。JWCSが用意したスローロリスのレポートをもとに、輸入国日本の状況が説明されました。討論の際に、日本への密輸の状況などについて補足をしました。

    

◆ スローロリスの附属書改正提案(附属書ⅡからⅠへ移行して国際商業取引を禁止)の議論は、今のところ来週になりそうです。
ただ、それぞれの議題をどのような順番で議論するかは、CoP14事務局(各委員会議長、常設委員、CITES事務局で構成)が決めるので、確かなことはわかりません。

     

(JWCS事務局長 坂元雅行)

     

     

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▼ どっちが大事? CITESと貧困地域の生計

         

◆ 6月6日、午前、第Ⅱ委員会の討議が始まりました。

国連ミレニアムサミットで採択されたミレニアム・ゴールにあらわれているように、「生物多様性(の構成要素)を持続的に利用し、地域の経済開発と貧困低減に資する」というのが今日のトレンドです。この点は戦略ビジョンの議論にもあらわれていました。

その一環として、CITESが(特に貧しい国の、貧しい人々)の生計にどう貢献するかが議論されるようになりました。貧困低減は重要な課題ですが、それを他の条約やプログラムに加えて、CITESでやれることなのか、やるべきことなのかについては大きな議論があります。

    

それはなぜか?
野生生物取引の推進しようという意図で地域の生計に影響があるという理由をつけ、絶滅危惧種の国際取引規制が緩められてしまうおそれがあるからです。

            

そこでNGOなどは、人々の生計に対する考慮を安易にCITESに持ち込むと、条約の核となる目的(国際取引を規制して種の絶滅を防止する)を損なうおそれがあるとし、慎重な姿勢をとっています。

オーストラリア、アメリカなど多くの国からも、人々の生計についてCITESで考慮することには賛成だが、取引が与える生物学的影響を判断する際にそれを考慮することには懸念がある、という意見が多く出されました。
発展途上国からも、これにはあまり異論がありませんでした。

     

◆ 印象的だったのは、JWCSと協力関係にあり、ACAのメンバーでもあるWTI(インド野生生物トラスト)のアショク・クマールさんの発言でした。
「多くのインド人は生物多様性に依存しています。私たちは、野鳥を取引すれば80%がその過程で死んでしまうことを知っています。また、取引の最終的な利益のほとんどは、地域共同体でなく、都市部の人間に入ることも知っています。バードウオッチングのガイドなどを地域の人々にしてもらった方が、よほど地域の生計に還元できる。取引と生計を安易に結びつけると、生物多様性に依存している国では、かえってEco—refugee(環境難民)を生むことになるでしょう。」

    

この問題について、各締約国に何を勧告するかは、作業部会を編成して議論されることになりました。

   

(JWCS事務局長 坂元雅行)

    

   

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▼ 保全を呼びかけるフラッグ

     

◆ ホテルから会場までは歩いて5分もかからないくらいですが、その間の歩道に沿って、多くの横断幕が出ています。ホスト国のオランダは公式バナーで、きれいな黄緑地に野生生物の足跡がついているものです(植物は足跡ではありませんが)。

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ポスターです 

     

    

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会議場です

   

     

◆ 世界自然保護基金(WWF)はヒョウの保護を訴えています。しかし、昨日ウガンダがヒョウを附属書Ⅰにとどめたままで年間28頭を輸出する提案を出し、採択されてしまっています。

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◆ 国際動物福祉基金(IFAW)は、このままでは野生動物は名前しか残らない、というキャッチコピーで多数のバナーを出しています。

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(JWCS事務局長 坂元雅行)

  

  

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